オタゴン無法地帯

Vtuberオタゴンのブログです。動画にするほどじゃないけどツイートには長すぎることを書きます。

初めてVRChatで美少女アバターに萌えを感じた瞬間、そして覚醒……。

オタゴンです。先日、心街さん制作のVRChatを題材にした成人向けノベルゲーム『VRChaH』を遊んだのだけれど、これがとても良かった。特に素晴らしいと感じた点は、日本人のVRChatユーザーが初心者のころに経験するであろう“あるあるネタ”が全編に散りばめられているという部分だ。黎明期のVRコミュニティに所属していた日本人の感覚をアーカイブ化したものとして、この作品は一つの資料となるだろう。インターネットの片隅で消えていくであろう僕らのVRでの思い出が、こういう形で記録として残ったのは喜ばしいことだ。あとエッチシーンがエロくて生々しいので+100憶点。

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というわけで、今日のブログでは僕のVRCでの忘れたくない思い出を備忘録的に残していこうと思う。題して……

 

〇『初めてVRChatで美少女アバターに萌えを感じた瞬間』

4月末、僕はVRCを始めるためだけにゲーミングPCとVR機器を買い、自作のCGモデルも用意した状態でVRC初日を迎えた。今思うと、先行投資としてはいささかハイリスクすぎる。自作のCGモデルを完成させるのにも、ゼロからのスタートだったために数か月かかった。そこまで時間や資金を投じてVRCが楽しめなかったら、自分はどうするつもりだったのだろうか。あまり想像したくない。ねこます氏の動画などでVRCを知った僕は、アニメやラノベで描かれたあのVR世界に行けるのだから楽しくないはずがないと、過剰な期待を抱いていた。

そんな僕だが、ある意味でVRを舐めていた部分もあった。その当時、VRCは『おじさんが二次元美少女になれる場所』として話題になっていた。僕はこの点に、まったくと言っていいほど興味が無かった。正直に言うと、中身が男だとわかっていて萌えるなんて正気じゃないとすら思っていた。

俺がVR世界に足を踏み入れるのは、中身がおじさんな美少女の尻を追いかけ回すためなんかじゃない。もっと高尚な、クリエイティブで自由な世界の一員となるためだ……。そんな風に考えていた昔の俺が今の俺を見たら、その醜態に頭を抱えるに違いない。VR世界に行けばなんとなく知能指数が上がって素敵でオシャレな人生を送れるかもしれないと考えていたバカは、今日も元気にVR美少女おじさんの胸に頭を突っ込んで幸福を噛みしめている。超ハッピー。毎日サイコー。

と、今では楽しく美少女アバターを愛でまくっているわけだが、そうなったのにはちょっとしたきっかけがある。その出来事の前までは、僕は美少女アバターを前にしてもただ可愛いと感じるだけで、心臓の鼓動は高鳴らなかった。理性では可愛いと感じていても、本能が獣の唸りを上げることがなかった。今思えば、あの日の僕はまだオールドタイプだったのだ。

 

5月某日。まだVRCを初めて二週間足らずだった僕は、public化されたばかりのサイバーパンクモチーフのワールドにやってきていた。ブレードランナーのスピナーを思わせる飛行車が浮遊し、怪しげに輝くネオンの光に包まれたその町で、十数人のフレンドたちが談笑している。僕はその輪に混ざろうとしたが、これが中々上手くいかない。何人か見覚えのない顔が集まっており、どうしても緊張してしまう。

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ここですんなり別のワールドに移動できればよかったのだが、僕のイデオンのように巨大なプライドがそれを許さない。アイツ会話に混ざれなかったからってすぐ逃げ出しやがったぜ、なんて思われるのはごめんだ。そんなこと誰も思ってないのに……自意識過剰ここに極まれりである。僕は“会話に混ざれなかったけど別に気にしてないですよアピール”のためにワールドの風景を写真に撮りまくっていた。哀れすぎる。書いてて悲しくなってきた。俺はこんなしょうもない男だったのか……。

会話の輪から外れひたすらに写真を撮りまくるが、もちろんワールドの風景などこれっぽっちの興味もない。ただ会話に混ざれなかったダサい奴と思われないための演技だ。別に気にしてねえし感を出すのに必死だった。おそらく、その様子は色々とだだ漏れだったに違いない。そういうことする奴がいちばん滑稽なんだよな。

その時、僕は修学旅行で広島に行った時の記憶を思い出していた。自由行動の時間、同級生たちが友人同士で集まって楽しそうにしていることに、僕は耐えられなかった。だから風景の写真を撮ることで“俺はあくまで観光名所の写真をゆっくり撮りたかったから一人でいるだけで、別に友達がいないわけじゃないんだがアピール”をしていた。今思えば、就学旅行なんて一人でもいくらでも楽しめる。一番哀れなのは存在しない他人の目ばかり気にして、楽しむフリにだけ躍起になってしまう奴だ。本当にしょうもない。そしてVRの世界に来ても、僕はそんなしょうもない自分のままだった。VRにまで来て、俺は何をやってるんだ? かといって写真を撮るフリがやめられるわけでもない。ずいぶん遠くまで来たと思っていたが、それは俺の思い違いだった。少年の日の俺は、未だにあの広島に取り残されたままだった。膝を抱え、身体を震わし、助けを待っていたのだ。

そうして一人で勝手に虚しくなっていたその時、僕のカメラの端に“誰か”が映った。それはけものフレンズに登場するキャラクターである『タンチョウ』アバターを纏った僕のフレンドだった。ワールドの片隅で写真を撮っている僕に気づいて、わざわざ近づいてきてくれたのだ。そのフレンドはいわゆる無言勢で、明るい笑顔を向けてこちらに近づいてくる。俺はあうあうとキョドることしかできないオタク野郎と化していた。

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一番右がタンチョウ

その時、俺にはタンチョウの顔が『こんなところで何してるのー?』と言っているように見えていた。いや、俺は確かにその声を聞いた。そのフレンドは無言勢だったが、俺はその声を聞いたのだ。誰がなんと言おうと絶対聞いたのだ。俺は間違っていない。

オタク諸兄は夢見たことがないだろうか? 小中高と周囲に馴染めない人生の中で、なぜか俺のことを好きな美少女が無から発生することを。その美少女は俺がやめろよ~と言っても無邪気な笑顔で俺をつけ回すことをやめず、俺がぼっちになるとどこからともなく現れていちゃついてくれる。あの修学旅行の日だって、そんな美少女があれば何か変わったかもしれなかったのだ。

俺にはタンチョウを纏ったフレンドが、そんな美少女に思えてしかたなかった。あの日、広島に一人だけ置いてけぼりにされた少年を、VRの世界からやってきたタンチョウちゃんがやっと救い出してくれたのだ。目の前のタンチョウは、ただそこにいるだけではない。俺が脳内で勝手に作り上げた物語の中で、その顛末に顕然と存在するキャラクターだった。俺は震える手でカメラを構える。女なんて誰も俺のカメラに写りたがらないはずなのに、タンチョウは笑顔を向けてくれていた。だから俺は、写真を撮った。

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この一件以来、美少女アバターたちは今までとはケタ違いの実在感を持って俺の目の前に存在していた。俺は美少女アバターを前に緊張すると鼓動が高鳴るようになった。その頭を撫でれば癒されるようになったし、エッチなアバターに出会えば本能が獣の咆哮を上げる音が聞こえるようになった矢吹丈が力石との出会いでボクシングの魅力に目覚めたように、人が人を変えていくのだ。シャア・アズナブルにとってのララァ・スンが、つまりは俺にとってのタンチョウなのである。こうして俺はニュータイプに覚醒したのだ。意味不明? ちゃんとガンダムを見なさい。

というわけで、俺はVRCで美少女アバターを前にする時にこんな気持ち悪いことを考えているという話でした。まあVRCをやっているあなたなら共感できる部分もあるはずですよね?